病院について

病院長挨拶

令和4年4月1日 紀南病院 院長  加藤 弘幸 

 2020年4月1日より、前任の須崎 真院長の後を引き継ぎ紀南病院の院長に就任いたしました。
 この紀南病院が医療圏とする三重県南部は、へき地と言われる地域です。人口減少、高齢化率40%以上、で人手不足、資金不足、物不足、と言った問題を常に抱えております。しかし、地域の公立病院の使命として地域住民の方々へのより良い医療の提供を考え、職員一同頑張っております。内科、外科、整形外科、脳神経外科、眼科、小児科、泌尿器科、歯科口腔外科、の常勤医師と、皮膚科、脳神経内科、耳鼻科、婦人科、の非常勤医師で診療を行っております。また、呼吸器病外来、血液内科・感染症内科外来、糖尿病外来、リウマチ・膠原病外来、肝臓病外来、循環器外来(2022年3月で終了)、乳腺専門外来、肝胆膵・移植外科専門外来、小児発達外来、と言った専門外来も非常勤の先生のご協力も得て行っております。手術に関しても、当院の常勤医師では十分に対応できないような場合は、三重大学医学部付属病院や他の病院と連携を行いながら応援医師を派遣して頂き対応しております。
 地域住民の皆様に住み慣れた場所で安心して生活できるための医療体制を提供することが必要と考え、地域包括ケアシステムも推進しております。そのためには、医療・介護・福祉などの多職種連携が不可欠と考えます。その中で紀南病院としましては、急性期医療とそれに続く回復期医療を充実させることがその役割の一つと考えております。このため、2015年4月から回復期リハビリテーション病棟を開設しました。この地域では初めての回復期リハビリテーション病棟で、集中的に密度の高いリハビリテーションを提供することにより、脳卒中などの脳血管疾患や整形外科疾患の術後の患者様の身体能力の改善に高い効果を発揮しています。これにより退院後の社会生活にも早期に復帰することができ患者様やご家族様からも高い評価をいただいております。
 また、これと並行して、2015年11月からは地域包括ケア病棟の運営も開始しております。この病棟では、それぞれの疾患で入院し急性期治療を終えた患者様に対し不安なく退院を迎えられるように、看護師や理学療法士、作業療法士、地域連携室職員などが連携してかかわりを持ち支援を行います。時には院外の関係者とも連携をはかり、病院での治療や看護から退院後の介護へとシームレスに移行できる医療介護提供体制の提供を目指しております。
 2016年4月には、建設中でありました本館が完成し稼働を開始しております。免震構造の5階建てで、救急外来や内科を中心とした急性期病棟、回復期リハビリテーション病棟の機能訓練室、手術室などがあり、屋上にはドクターヘリのヘリポートも設置しより充実した医療が提供できるようになりました。
 この紀南地域は、南海トラフ地震が起こった際に甚大な被害が発生することが懸念されており、地震を中心とした災害に対する意識も高いところです。紀南病院も三重県に16病院ある災害拠点病院の1つに指定されており、災害発生時にも対応できるように取り組んでおります。
 このように、紀南病院は今後も地域に求められる医療体制を提供し、この地区の中核病院としての使命を果たすべく、急性期から回復期の医療はもとより救急医療や災害時の医療にも尽力していく所存です。
 今後とも地域の皆様のご理解とご支援を賜れば幸いです。

 

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