診療放射線科
スタッフ診療放射線技師 9名
内、乳腺撮影技術認定技師2名 マンモグラフィ検診施設画像認定
看護師 4名
概要
放射線技師の業務は機械の進歩により様変わりしています。
基本的にX線を使って検査を行うことは同じですが、民生病院創設当時はX線(レントゲン)で撮影したフィルムを暗室でバットに入れた現像液と定着液にひたし画像が浮かび上がったら、水洗いして洗濯バサミの様なものにとめて自然乾燥させて提供していました。その後、自動現像機により大量のフィルムの処理ができ、医療に画像診療が大幅に進歩しました。
近年、コンピュータの進歩に伴いX線CTの出現でデジタル画像の幕開けとなりMRI、CR(一般撮影)、パノラマ、マンモグラフィ装置、X-TV装置、US(超音波)、内視鏡装置がデジタル化され、より高速、高度、精密、多種多様な検査、被爆低減、撮影後瞬時に画像の確認ができ、高度医療の担い手になっています。これらの装置を操作する技量と知識の医療画像情報処理が放射線技師の役割になってきました。そして、電子カルテと結ぶことで診察室、治療室のパソコンのテレビ画面で画像を見ることが出来ます。
モニター診断はフィルムでは出来なかったそのときの病気の状態、場所に濃度を合わせ、拡大して見ることができます。またインターネットを利用し、大学病院の放射線科医師による遠隔画像診断も行っています。
9人の放射線技師、4人の看護師、24時間365日を通常診療、夜間、休日救急診療に対応しています。
機器
○一般撮影室
あたま、むね、おなか、両手、両足の骨、内臓の様子を素早く簡単に検査ができ、放射線科では昔からあるレントゲンで知られている検査です。放射線技師にとって素早く丁寧に正確に業務こなす一番わざの光る部門で、もっとも多くの患者さんと接する場所です。
一般撮影装置:コニカミノルタ
関接変換FPD装置:コニカミノルタ AeroDR SYSTEM
2005年に電子カルテ導入に伴ってフィルムの現像方式からコンピュータ化され、DR方式になりました。撮影がおわるとすぐに画像を保存しているコンピュータに送られ電子カルテ端末のモニターで見ることが出来ます。
・骨密度測定装置:ALOKA DCS-900FX
骨粗しょう症などの疾患で骨がもろくなっていないかを検査する装置です。骨のもろさを測定する方法は、足のかかとをエコーで測る検査などがありますが、当院では腕の骨・腰の骨・足の付け根(股関節)の骨をX線を使って測定しています。
・一般撮影装置:日立製
・骨密度測定装置:ALOKA DCS-600EX-Ⅲ
骨粗しょう症の検査をします。2005年に手首をX線によって測定し、すぐに精度の高い検査結果が得られるようになりました。検査結果は保存先に送られ電子カルテの端末で見ることが出来ます。
・オルソパントモグラフィ装置(パノラマ):MORITA Veraviewepocs
2003年に歯科口腔外科開設されたときに装置を導入しました。この装置はフィルムを使わずにデジタルカセットを使い、撮影と同時に口腔外科の診察治療室のモニターで画像を見ることできます。
○マンモグラフィ撮影室 - 女性の検査技師(2名)もおります
乳腺撮影技術認定技師2名 マンモグラフィ検診施設画像認定
マンモグラフィ撮影装置:FujiFilm AMULET Innovality
マンモグラフィ撮影装置 乳がんは近年増加傾向にあり、1995年を境に胃がんを抜いて女性のガン罹患率(ガンになる確率)が日本で第1位になりました。乳がんは女性にとっては大変怖い存在になっていますが、男性にも起こりうるガンでもあります。
乳がんは、月に1回自分で自分の乳房を観察し、実際に触ってみて、乳房の形が変わっていないか、赤くはれたり血液の混じった分泌液がないか、“しこり”の様な物がないか等をチェックすることが、乳がんの早期発見に大きく役立ちます。しかし、人間の目や手で確認することにも限界があり、“しこり”が乳房の奥にあり、触ってもわからないことも少なくありません。そのため、乳がん検診を受けることが重要になっているのです。
現在、日本政府は乳がんの増加に危惧の念を抱き、乳がん検診を積極的に呼びかけています。そのため、欧米では最も一般的で乳がんによる死亡を減少させる効果が得られているマンモグラフィを乳がんの早期発見に、力を注いでいるところです。
マンモグラフィとは、簡単に言えば「乳房のレントゲン写真」のことです。よくTVのCMなどで目にし、聞いた事があると思います。これは、乳房の専門の撮影機械を用い、乳房を機械付属の板で薄く伸ばして撮影します。伸ばすことで乳房全体が広がり乳房の中の手では触れないところを写真で見ることができる様にするためです。
当病院の乳がん検診にもマンモグラフィ検査が含まれています。また、市町村等の健診で精密検査が必要などの結果が出た方、何か自分で乳房に変化や自覚症状(痛いなど)が現れた方、マンモグラフィを受けてみたいと思う方は、地域連携室、外科外来に相談してみてください。
○透視室
X線テレビ装置(X-TV):キャノン Ultimax-I DREX-UI80
「ゲップをしないで我慢してね!」から始まるバリュウムを飲む胃の検査、バリュウムを使った大腸の検査の注腸をはじめ、全診療科(外科、整形外科、内科、婦人科、泌尿器科、脳外科、神経内科、小児科、放射線科、)の多種多様の検査を行っています。
また、内視鏡装置(カメラ)・超音波(エコー)と併用して、医師、看護師、放射線技師がそれぞれの技術を生かしながら、お互い協力して検査を進めていきます。
○X線CT室
マルチスライスX線CT装置(MDXCT):キャノン Aquilion PRIME 80
マルチスライスX線CT装置 CTとは、コンピュータ断層撮影(Computed Tomography)の略で、身体のまわりをX線を出しながら回転し、体を輪切りにした画像が見ることが出来る装置です。レントゲン写真では判らなかった細かな病変なども詳しくチェックすることが出来るので、欠かすことの出来ない検査の一つです。
従来のCTは1回転で1画像の情報しか取得出来なかったものが、マルチスライスCTでは、1回転で複数の画像情報を取得することが出来ます。当院は80列のマルチスライスCTなので1回転で80画像の情報を取得することが出来ます。一度に複数の画像情報を取得出来るので、撮影時間も早くなり、胸部や腹部は5~15秒前後で撮影できます。また、ワークステーションという画像を処理する機械を使うことにより任意の断面の画像を作成し、全身の骨や頭部などの血管の立体画像を作成することが出来ます。
2013年9月に、[Aquilion 16]から[Aquilion 80]に更新が行われました。少ないX線の量と短い時間で、精度の高い画像のよりきれいな3D画像や任意断面を作成する事ができます。
※大腸検査としてのCTCも行っています。大腸内視鏡のように前処置によって大腸をきれにし炭酸ガスだけで、CT検査による画像解析からの仮想的な大腸内視鏡です。内視鏡カメラも、バリュウムも使いませんので検査中も検査の後も苦痛の少ない検査です。
○MRI室
MRI装置:フジフイルム 1.5T MRI ECHELON OVAL
MRI検査は、磁石と電波を使って体の中を調べる検査です。
脳梗塞や脊髄の中や関節、筋肉、脂肪といった、レントゲン撮影等ではわかりにくいような部位の撮影に効果的です。
そのため、他の検査で発見された病変をMRI装置でさらに詳しく精査するなど、他の検査と併せて用いられます。
MRIは頭や首の血管を撮影し、血管にコブ(瘤といいます)や細い場所がないかを調べることが可能です。そのため、脳ドックや簡易能ドックでMRI検査を実施しています。
2013年2月に装置の更新が行われました。この装置は、検査時に患者さんが入るガントリー部分のゆとりが大きく、圧迫感が大幅に軽減され性能面もすぐれており、より精度の高い検査が行えます。